製品の出荷まで
1.きれいな鶏舎で産まれたたまご
ひよこから約4ヶ月育てられ、しっかりと体調を管理された若い鶏たちが採卵養鶏場(大館ファーム)にやってきます。 消毒・洗浄をすませた清潔な鶏舎でたまごを産み始めます。
2.たまごを集める
産まれたたまごはコンベアでGPセンターに運ばれます。 たまごをパックやダンボールにつめる施設を鶏卵選別包装施設(Grading and Packing Center)略してGPセンターと呼びます。 すべて機械化されているので、産まれた卵は人の手に触れることなく製品となり出荷されます。※GPセンターという言葉は和製英語です。
3.検卵(1回目)
割れてしまったたまごや形の悪いたまご、大きすぎるたまごなどを人の手で抜き取ります。専用の作業着・手洗い・消毒など多くのチェック項目を設けることで異物混入や交差汚染等危険要因の侵入を防ぎます。
4.洗卵・消毒と乾燥
一定の向きにそろえられたたまごは45~55℃のお湯(次亜塩素酸ナトリウム150ppm)をかけてたまごの殻をブラッシングされます。 乾燥工程ではブラッシングと送風により乾燥させます。
5.検卵(2回目)
洗浄で落としきれなかった汚れがあるたまごや殻にキズ、へこみなどのあるたまごを人の手で抜き取ります。 抜き取られたたまごは液卵などの加工用として出荷されます。
6.検卵(3回目)検査装置による検卵と殺菌
汚卵検出装置はたまごの殻をカメラで撮影し、画像解析により汚れを検出します。 ヒビ卵検出装置は殻を叩いたときの音の響きで、目に見えないわずかなヒビも検出します。 紫外線殺菌装置は紫外線を照射することにより、卵殻表面に付着している細菌やウイルスを効果的に殺菌します。
7.計量
卵の重さを計ります。ここで計量されたたまごは機械でやさしく運ばれ、サイズごとに振り分けられます。
8.異常卵検出装置
異常卵検査装置では卵に光を当てたときの光の通り具合から、血が混じったたまご・卵黄が破れたたまご・腐敗したたまご・卵黄のないたまごを検出します。
9.自動倉庫(タワー)へ
たまご同士がぶつからない専用のトレーに移されたたまごは一度自動倉庫へ入ります。 自動倉庫に入れることで必要な量を必要なときに出して効率的に製品を作ることが可能です。
10.最終検卵とパッキング
パックに入った卵を最後にもう一度人の目で確認します。 汚れがないか・ヒビがないか・賞味期限が正しいかなど、すべての項目を合格した製品のみ出荷されます。
11.温度管理と出荷
製品となった卵は温度管理された製品庫で保管され、皆様の食卓へ向けて出荷されます。 卵の賞味期限はたまごを「生食」できる期限を表示しています。
たまごの食中毒菌であるサルモネラ菌の増殖はたまごの保存温度によって決まります。 買ってきたたまごは10℃以下の冷蔵庫で保管しましょう。
12.生で食べられるたまごのために
生で食べても安心なたまごを生産するために、農場・製造・出荷までの工程でHACCP方式に基づき食品安全上重要な危害を予測し、管理ポイントを設定しています。管理ポイントを継続して監視・記録することで食品の危険をあらかじめ予防しています。 またGPセンターでは食品であるたまごを扱うことから、毎日の清掃はもちろんのことGP内での従業員の衛生管理を大事にし、常に清潔な環境でたまごをパッキングできるようにしています。
農場での実施事項
鶏という生き物を扱う採卵養鶏は、理想とする結果がすぐにでない難しさがあります。 必要とされる良質なたまごをより多くとるために、 私たちは常に考え新しい取り組みに挑戦しています。
飼育環境
清潔な環境を維持するために、鶏舎の掃除は毎日行います。 鶏舎はすべて関係者以外立ち入り禁止になっており、従業員も消毒や着替えを徹底することで外部からの病原菌の持ち込みを防ぎます。窓のないウインドウレス鶏舎は野鳥など野生動物の侵入を防ぐことができるため、インフルエンザウィルスやサルモネラ菌などと鶏が接触する危険性を減らすことが出来ます。
鶏の飼養管理
農場では365日毎日見廻りを行い、エサ・水・温度・換気が十分であり鶏にとってすごしやすい環境か毎日チェックします。また日々の産卵実績を記録し分析することで、より良い成績を目指しています。 大館ファームでは赤たまごを専門に生産しています。
鶏のえさ
鶏のえさにはさまざまな栄養素が穀物を中心にバランスよく配合されています。赤玉鶏のえさには腸内バランスを整え、鶏ふんやたまごの臭みを軽減させる効果がある木酢酸を添加しています。
検査・管理体制
食中毒の原因菌であるサルモネラ検査をはじめ、 たまごの品質・衛生管理に関連する検査を頻度を決めて実施しています。 定期的に行うことで安全性を検証すると共に、 飼育方法の改善やより効率的に作業ができるような新規の取り組みに役立てています。
サルモネラフリーの若鶏と鶏舎
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食中毒菌であるサルモネラ(SE・ST・SH)について *すべて陰性であることを証明済みの大雛を導入
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大雛導入前鶏舎の自主サルモネラ検査を実施
鶏の飼養管理
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鶏のえさのサルモネラ検査が毎月陰性であることを確認
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地下水の水質検査(29項目+腸管出血性大腸菌O-157)を年2回実施
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専門業者によるネズミ駆除を毎月実施
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鶏舎ごとの卵質調査を月1回実施
鶏舎の定期検査
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JAクリニックによるふき取り検査を2ヶ月に1回実施 *食中毒の原因菌となるサルモネラがいないことを確認しています。
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自主サルモネラ検査を毎月実施
GPセンターでの実施検査
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JAクリニックによるふき取り検査を2ヶ月に1回実施 *食中毒の原因菌となるサルモネラがいないことを確認しています。
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自主サルモネラ・一般生菌検査を毎月実施
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専門業者による防虫対策を毎月実施
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卵質検査を毎日実施 *卵重・卵殻強度・ハウユニット・カラーファン・卵殻厚を測定
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パック卵の賞味期限保存検査
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卵内のサルモネラ検査を毎月実施
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卵内の一般生菌・大腸菌・サルモネラ検査を年4回実施
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GP従業員の検便検査を年1回実施
鶏ふん発酵済み堆肥
大館ファームで飼育されている鶏たちは毎日いっぱい餌を食べて鶏ふんを出します。 養鶏場にとって大量の鶏ふん処理は大きな課題のひとつです。鶏ふんを繰り返し循環発酵させることで、においが少ない堆肥を作り出す「4工程循環型処理法」を用いて製造しております。製造した堆肥は耕種農家さん、果樹農家さん、米農家さんなど、幅広くご利用いただいております。